
安く作れる時代になったのに、公開から二年ほど経つと「やっぱり作り直したい」と相談に来られることが増えました。増え方は業種を問わず、沖縄でも本土でも同じです。宜野湾市伊佐の事務所でも、那覇方面からのオンライン相談でも、最初の一言はだいたい似ています。「見た目はそれなりなのに、問い合わせが増えない」「担当が変わったら更新できない」「検索で出てこない」。その背景には、制作費用の差ではなく、設計の差が静かに積み上がっている、という話をします。
プロローグ:安さの前に、まず「何が安いのか」を分ける
金額だけを並べると、三十万円のほうが魅力的に見えます。見えて当然です。経営は数字の仕事ですから、支出を抑えたい気持ちは健全です。私がお伝えしたいのは、安さを否定することではなく、安さの「構造」を分けることです。
Webサイトを家に例えるなら、安いプランは外壁と窓と表札が先に届くパッケージに近いことがあります。住めるように見えます。一方で、地盤調査、基礎、配管、換気、耐震、将来の増築に耐える柱の位置。ここが省略されると、二年目の雨漏り、三年目のカビ、五年目の全面改修、という順番で現実が返ってきます。Webも同じで、見えない土台が弱いと、あとから直すほど高くつきます。
店舗に例えるなら、内装だけ新しくして、レジ回りの動線、倉庫の導線、トイレのサイン、バックヤードの手順書が後回しになる状態に近いです。お客様にはきれいに見えても、現場が回らない。Webでも「公開はできた」が成立しても、「問い合わせが回る」が成立しないことがあります。
私自身、三十年近く現場にいて、作り直しを余儀なくされたサイトを数え切れないほど見てきました。悪意があったわけではありません。当時は正解に見えた選択が、数年後に事業のスピードを落とす。そこに共感できます。だからこそ、いま選ぶべきは安さか高さか、ではなく、構造かどうか、と言い換えたいです。
三十万円の「使い捨てサイト」の正体
三十万円という数字は例です。相場は変動します。ここで言いたいのは金額そのものではなく、次の状態に陥りやすいタイプの話です。
テンプレートに流し込むだけの「看板」
情報を差し替えれば公開できるテンプレートは、スピードの面では強いです。強いからこそ、初期費用を下げやすい。ただ、看板は「ある」だけでは足りません。看板の先に、人が迷わず動ける動線(導線)があるかどうかが本題です。導線が弱いサイトは、ユーザーが入口で立ち尽くします。立ち尽くしは、問い合わせフォームの送信数としては静かに消えます。
なぜ検索に上がりにくいのか
検索エンジン最適化(SEO)は、キーワードを並べる作業ではなく、ページの目的、重複、内部リンク、表示速度、モバイル体験、更新の一貫性、といった総合点です。テンプレート中心の制作では、構造が固定されがちで、業種ごとの「検索意図」に合わせた情報設計(IA:情報をどう分類し、どの順で見せるかの設計)まで手が届かないことがあります。届かないまま公開すると、見た目は整っていても、検索側から見ると「薄い正本」に見えやすいです。
なぜSNSと連携しにくいのか
Instagramや公式LINEは、日々の更新が速いです。速いほど、ホームページ側の正本(料金、営業時間、キャンペーン条件、採用情報)がブレると、顧客が迷います。テンプレート型のサイトは、運用ルールと更新権限が最初から設計されていないと、SNSと公式で別々の言葉を喋る状態になりやすいです。結果として、SNSで集めた熱量が、予約や問い合わせに変換されにくくなります。
隠れたコスト:保守と拡張
安い初期費用の裏に、保守費用が別枠で積み上がるパターンがあります。また、採用ページを足したい、予約システムを繋ぎたい、多言語を足したい、といった拡張のたびに、テンプレートの限界に当たると、作り直しが現実味を帯びます。作り直しは、新規制作に近い負担になりがちです。
さらに言うと、作り直しのコストは金額だけではありません。社内の決裁、写真の再撮影、ドメインやメールの移行、旧URLの整理、営業資料との整合。時間が溶けます。時間は、経営者にとって一番高いコストです。
一百万円の「資産サイト(沖縄ホームページ制作工房WEBCRAFTSの設計)」の正体
一百万円も例です。案件によって規模は変わります。ここで言う資産サイトは、高い装飾ではなく、事業の背骨に耐える設計のことです。
情報設計(IA)で、成約までの迷子を減らす
ユーザーが知りたい順番は、経営者の思い込みとズレがちです。ズレを減らすのがIAです。サービス一覧の切り方、FAQの置き場所、問い合わせへの導線、スマホでの指の動きまで含めて、コンバージョン(成約や問い合わせなどの成果行動)に寄せて組み立てます。これはデザインの話より先に、設計図の話です。
これまで数千のコードを見てきた私が、最後に行き着いたのは『設計の力』でした。コードは手段で、目的は事業の再現性です。
表示速度:Astroなどの技術選択が効く理由
サイトが重いと、ユーザーは待ちません。待たない離脱は、SNSのコメントほど目に見えません。表示体験の指標として知られるCore Web Vitals(コアウェブバイタル)のような観点も、結果として検索評価や広告の効率に絡みやすいです。案件によってはAstroのような静的サイト生成の仕組みを検討し、表示速度と運用の両立を狙います。爆速がすべてを解決するわけではありませんが、同じ内容なら速いほうが有利な場面は多いです。
AI検索の時代と、引用されやすい情報の構造化
二〇二六年現在、検索の周辺では生成AIが要約や回答を返す体験が増えています。俗にLLMO(大規模言語モデル最適化)などと呼ばれる領域もありますが、本質は地味です。一次情報を矛盾なく公開し、見出しと段落で意味が追えるようにし、更新日と責任範囲が分かるようにする。地味なほど、長期で効きます。逆に、コピーだけ豪華で根拠が散らばっているサイトは、人にもAIにも誤解されやすいです。
資産サイトでは、公開後の運用も視野に入れます。例えばSNS運用代行と公式サイトの役割分担を最初から決めると、告知の熱量と正本の静けさが喧嘩しにくくなります。熱量と正本が喧嘩しないほど、問い合わせの質も安定しやすいです。
三年間のシミュレーション:ROI(投資対効果)の考え方
ここからは、あくまで仮定の計算です。業種や単価で結果は変わります。数字で確信を売るつもりはありません。代わりに、構造だけ持ち帰ってください。
仮定A:三十万円のサイトは、三年間でWebからの新規問い合わせが月ゼロだったとします。追加の保守や改修で十五万円ずつ年に一度かかったとします。三年の支出イメージは、三十万円+四十五万円で七十五万円です。売上への寄与がゼロなら、Webはコストの塊です。
仮定B:一百万円のサイトは、情報設計と速度と更新設計まで含み、月に一件だけ問い合わせが増えたとします。一件の価値を三万円と置くと、月三万円×三十六月で百八万円です。三年で制作費を回収するイメージです。三万円が安すぎる業種なら、回収は速いです。逆に、一件の価値が読めない業種なら、先に計測の置き方から一緒にします。
重要なのは、百万円が魔法ではないということです。百万円でも導線が空振りすれば成果は出ません。だからこそ、制作前の設計と、公開後の改善サイクルをセットで語れるかが分かれ目になります。
仮定Cとして、三十万円のサイトを三年運用したあとで全面作り直しが八十万円かかったとします。初期三十万円+保守四十五万円+作り直し八十万円で百五十五万円です。三年のあいだ成果が弱いままなら、百万円で最初から設計したルートのほうが、結果として安く済んだ、という筋論も現場では起きます。起きるかどうかは、最初の設計と、その後の運用次第です。
最初の一歩の投資が、加速のスピードを変える理由
事業の成長は、連続した小さな判断の積み重ねです。Webは、その判断のログを残す場所になります。問い合わせが来た理由、離脱した理由、検索から来た理由。計測の置き方まで含めて設計できると、改善が早いです。改善が早いほど、採用・営業・広報の各部が同じ地図を見て動けます。
逆に、土台が弱いと、改善のたびに「どこを直せばよいか」から迷います。迷いが長いほど、競合のサイトは静かに積み上がっていきます。三年後の笑いは、派手な演出ではなく、積み上げの差として現れやすいです。
宜野湾の経営者へ:商圏としての沖縄で、資産化はなぜ効くか
沖縄の商圏は、那覇・浦添・宜野湾・うるまといった近接エリアが重なり合い、口コミと検索とSNSが短い距離で往復します。観光、不動産、飲食、美容、建設、人材、士業、BtoBの問い合わせまで、共通しているのは「迷子を減らす一次情報」です。一次情報が資産化すると、三年後だけでなく十年後にも効きます。効くのは、派手な演出ではなく、更新できる構造と、測れる導線です。
宜野湾市は、県内の移動の要のひとつでもあります。だからこそ、住所や駐車場、営業時間の例外、求人の有無のような地味な情報が、信頼の分岐点になりやすいです。信頼は、Instagramの写真だけでは完結しません。公式サイトで確定し、必要なら電話やフォームへ進む。この短い階段を滑らかにすることが、地域商圏では特に効きます。
伊佐の事務所で、共に「十年後も機能する資産」を設計しませんか。最初の一歩は、既存サイトのスクショと、問い合わせの実績と、競合の検索結果を並べるだけで十分なことが多いです。十分なことが多いほど、相談は短くてよいです。
サービス全体の入口は、沖縄ホームページ制作工房WEBCRAFTSからもご覧いただけます。相談だけ、見積もりだけ、どちらからでも構いません。
信頼性について(誠実さのための注記)
本稿の金額は、理解を助けるための例示です。見積もりは案件ごとに異なります。また、官公庁や自治体の大きな案件に関わってきましたが、守秘義務のため個別の内容は公開できません。公開できないからこそ、一般の企業相談でも、説明責任と再現性の話を同じ温度で扱います。
検索順位や成果を保証するような約束はしません。代わりに、設計と計測と改善の筋道を一緒に引きます。
まとめ
三十万円が悪いのではありません。三十万円の構造のまま「資産になるはず」と期待すると、後悔が生まれやすいです。一百万円が正解とは限りません。一百万円の構造で、設計と計測と更新責任まで含めて組み立てられるなら、三年後の笑い方は変わりやすいです。
ホームページ制作の考え方や事例の整理は、Webサイト制作・ホームページ制作の文脈とも接続します。まずは状況を聞かせてください。
Web制作からSNS運用・SEOまで、エンジニアの視点で成果につながる仕組みの構築を支援します。
「見積もりだけ欲しい」「作り直しの是非を相談したい」といったご相談も歓迎です。沖縄県内は対面、県外はオンラインなど、貴社の状況に合わせてお伺いします。
沖縄ホームページ制作工房WEBCRAFTS
代表:鈴木 孝昌
(エンジニアとしての長年の現場経験・政府・官公庁案件PM・日本ソフトウェア大賞・Google/Meta本社招聘 等)
沖縄県宜野湾市伊佐2-20-15 伊佐ビル2F
執筆:鈴木孝昌(WEBCRAFTS代表)
宜野湾市を拠点に、沖縄県内の企業・自治体のWebサイト制作、SNS運用代行、SEOの相談を受けています。本稿の金額・ROIは説明用の仮定であり、実際の見積もりや成果は案件ごとに異なります。